
磯焼け対策
自然環境の再生
実施概要・経過報告
近年全国的に被害が拡大し深刻な状況の「磯焼け」。
「磯焼け」とは、沿岸の岩礁域等で海藻が繁茂する藻場が、本来の海藻の季節的な変化や多少の経年変化の範囲を越えて、海藻の著しい減少・消失状態が続き海藻が繁茂しなくなる現象です。
この磯焼けの原因の一つである、海藻を食べ尽くし大繁殖をしている”ムラサキウニ”の採捕と生態状況の調査を地元漁協組合と協力して行い、藻場の再生に取り組んでいます。
「磯焼け対策」のウニを採捕するイベントは令和3年~6年の4年間に12回実施され、大人も子どもも楽しみながら岩場の磯でウニ捕りを体験し、これまでに2,000人以上が参加、累計約6トンのウニが採捕されています。


このウニ捕りのイベントと並行して年に数回、神奈川県水産技術センターの指導の下、観測を行いウニの生息密度を推定、ウニ採捕の効果を算定しています。(下記資料①~④参照)
令和6年の段階で生息密度は5~10個/㎡と推定、この個数を増やさないためには定期的なイベントの開催が必要と考えられます。さらに、海藻が生えるようになるためのウニ密度は3~5個/㎡が望ましく、この活動を継続することで、海藻が自生可能になると期待されています。




生命の循環・採捕したウニを堆肥に
イベントでたくさん採捕したウニは、開いてみると身が乏しく食用にはなりません。そのため、葉山町「石井ファーム」の全面協力のもと、堆肥化をして農業、家庭菜園用堆肥として再利用をしています。
海の豊富なミネラルを含んだウニにより、カルシウムやマグネシウムなど有機物をたっぷり含んだ肥料に生まれ変わっています。このウニ堆肥は、735styleのイベントの際に販売をしています。


2023年にはテレビ番組「海と日本プロジェクト」で、2回にわたり735styleの活動が放送されました。活動の趣旨がわかりやすい番組になっていますので、ぜひご覧ください。
「海と日本プロジェクト」YouTube動画